転職するかは、まだ決めなくていい。保育士の悩みを、まず相談。

相談事例
2026年10月版

保育士を辞めたい、でも転職するか迷う人へ。相談して「自分で決められた」保育士7年目の事例

保育士を辞めたいと感じたら、いきなり「辞めるか・続けるか」を決めなくて大丈夫です。先に、何がつらいのかを「仕事量・人間関係・待遇・気持ち」の4つに分けると、今の園で変えられること、職場を変えないと変わらないことが見えてきます。この記事では、持ち帰り仕事と人間関係に悩んでいた保育士のまゆさん(仮名)が、相談をきっかけに3か月で働き方を選び直すまでを、本人へのインタビューで追いました。

  • 保育士の悩み専門
  • 転職の前提なし
  • LINE・オンラインで全国対応

取材・文:ほいくの相談室 編集部 / 最終更新:2026年10月

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「辞めたい」の奥にある「ほんとうの気持ち」を、いっしょに言葉にします。

私たちが大切にしているのは、「辞めるか・続けるか」を急いで決めないこと。
何がつらいのかを一緒に分けて、今の園で変えられること、職場を変えないと変わらないことを整理します。
続けるか、休むか、移るか。決めるのは、あなたです。

こんな気持ち、ひとりで抱えていませんか?

  • 日曜の夜になると、涙が出てくる
  • 「辞めたい」と言ったら、負けな気がする
  • 持ち帰り仕事が、当たり前になっている
  • 主任に質問するのが、こわい
  • 転職サイトに登録するのは、まだ早い気がする
  • 子どもたちに申し訳なくて、決められない

ひとつでも当てはまったら、それは「話していい」サインです。

この記事のまゆさん(仮名)も、はじめは同じ気持ちでした。悩みがまとまっていなくても大丈夫です。いちばん気になっていることを、ひと言だけ送ってください。

そもそも、ほいくの相談室って


相談から整理まで、
まるっと無料。

ほいくの相談室は、保育士さんの「辞めたい」「迷っている」を、転職を前提にせずに聞く相談窓口です。
LINEやオンラインで、全国どこからでも話せます。
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相談料0円転職するかを決めていなくても



相談事例・保育士7年目のまゆさん(仮名)が
相談から3か月で変わったこと

持ち帰り仕事が、週4〜5日 → 月1日に



退勤時刻19:30ごろ17:45ごろ
日曜夜の憂うつ毎週月1回あるかどうか
通勤(片道)50分25分

事例を読む

※モデルケース。本人への聞き取りをもとにした目安です。

相談すると、
こんなふうに変わります


  1. 頭の中が、
    すっと整理される

    悩みを「仕事量・人間関係・待遇・気持ち」の4つに分けると、次に何をすればいいかが見えてきます。


  2. 辞める・続ける以外の
    道が見える

    今の園で相談する、休む、園を変える、資格を活かして場所を変える、異業種に挑戦する。少なくとも5つの選択肢を並べて比べられます。


  3. 急かされずに、
    自分のペースで決められる

    連絡はLINEだけでも大丈夫です。決めきれないときは、途中でまた相談できます。

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大切にしている3つのこと


  1. 保育の言葉が、
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    「指導案」「午睡チェック」「壁面」。保育の現場の言葉を、説明しなくても分かってもらえます。小さく見える悩みも、小さいまま、ちゃんと扱います。

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  2. 転職するかは、
    あなたが決める

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    相談したからといって、転職する必要はありません。今の園で続ける方法を一緒に考えることもあります。どの道を選ぶかは、最後まであなたが決めます。

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    電話が苦手でも大丈夫です。LINEのメッセージから始められて、47都道府県どこからでも相談できます。夜や休みの日に、メッセージを送っておくこともできます。

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    電話が苦手な方は、最後までLINEのメッセージだけで相談できます。夜に送っておいて、翌日に返事を受け取る使い方もできます。

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相談料について

相談は、どの方法でも無料です。
転職するかを決めていなくても、求人を見る予定がなくても、そのままの状態で相談できます。
※通信料はご負担ください。

  • LINEで相談

    0円

    友だち追加して、メッセージを送るだけ

    • 初回の相談(30〜45分)
    • 悩みを4つに分けて書き出す
    • 譲れない条件を3つに絞る
    • 途中で何度でも相談できる
  • オンラインで相談

    0円

    フォームから申し込み

    • 日程を調整して、オンラインで話す
    • 悩みを4つに分けて書き出す
    • 選択肢を5つ並べて比べる
    • 相談のあともLINEで続けられる
  • 転職サービスの案内

    0円

    求人も見たい人だけ

    • 特徴・運営会社・連絡方法を説明
    • 登録するかは、サービスごとに本人が決める
    • 1社だけでも、登録しない選択でも大丈夫
    • 断っても、相談は続けられる



相談のあとに、必要な人だけ

求人票の読み方
0円
見学で聞く質問リスト
0円
退職の伝え方とスケジュール
0円
休む選択肢(有給休暇・休職)の整理
0円


30秒でわかる、この記事の要点

  1. 「辞めたい」は甘えではありません。東京都の調査では、保育士を辞めた理由の1位は「職場の人間関係」(31.5%)で、仕事量や給料が続きます。多くの人が同じ壁に当たっています。
  2. 決める前に、悩みを4つに分けます。仕事量・人間関係・待遇・気持ちのどれが一番重いかで、取るべき一手が変わります。
  3. 選択肢は「辞める・続ける」の2つだけではありません。今の園で相談する、休む、園を変える、資格を活かして別の場所で働く、異業種に行く。少なくとも5つあります。
  4. 辞めると決めたら、伝える時期を逆算します。正社員など期間の定めがない雇用なら、法律上は申し入れから2週間で退職できますが、円満に進めるなら就業規則と年度の区切りを確認して1〜3か月前に相談するのが現実的です。
  5. 迷っている段階でも、相談してかまいません。相談したからといって転職する必要はありません。

※本記事の事例は、ほいくの相談室に寄せられる相談のなかで特に多い状況をもとに構成したモデルケースです。登場人物は特定の個人ではなく、数値は一例です。

01相談のあと、毎日の何が変わったのか

要点:相談から約3か月で、まゆさんは同じ市内の別の認可保育園に移りました。持ち帰り仕事は週4〜5日から月1日程度に、退勤時刻は19時半ごろから17時45分ごろに変わりました。いちばん大きかったのは「自分で選んだ」という感覚が残ったことだと、本人は話します。

お話を伺った方

お名前
まゆさん(仮名)・29歳
保育士歴
7年目(相談当時)
勤務先
私立の認可保育園(定員80名)→ 同じ市内の認可保育園(定員60名)
担当
1歳児クラス担任
決め方
自分で判断。最終的な相談相手は夫

図1

相談前3か月後

持ち帰り仕事

週4〜5日
月1日程度

退勤時刻

19:30ごろ
17:45ごろ

日曜夜の憂うつ

毎週
月1回あるかどうか

通勤(片道)

50分
25分

図1 相談前と3か月後の比較(モデルケース。本人への聞き取りをもとにした目安)

編集部いまの職場に移って、いちばん変わったことは何ですか。

まゆさん

夜に台所で連絡帳を書かなくなったことです。前の園では、子どもが寝たあとの21時から23時くらいが、連絡帳とおたよりと壁面の製作の時間でした。今の園は連絡帳がアプリで、週に2回、30分ずつ子どもから離れて書類をやる時間がシフトに入っています。最初の週、17時45分に園を出たとき、まだ空が明るくて。それだけで泣きそうになりました。

編集部数字以外で、変わったと感じることはありますか。

まゆさん

迷ったときに「誰に聞けばいいか」が分かるようになりました。前は、主任の機嫌をうかがってから質問していたんです。今は、困ったら早めに言えばいい、と思えています。あと、辞めたことへの罪悪感が「自分で決めたこと」に変わりました。誰かに背中を押されて辞めていたら、たぶん今も引きずっていたと思います。

辞めるか続けるかを決めてもらったんじゃなくて、決めるための材料を一緒に並べてもらった感じです。

まゆさん(仮名)

図2

  1. 1週目夜にLINEで相談を申し込む。翌日に日程が決まる
  2. 1週目初回の相談(約40分)。悩みを4つに分けて書き出す
  3. 2〜4週目譲れない条件を3つに絞る。求人票の見方を教わる
  4. 5〜8週目保育園を2か所見学。質問リストを持っていく
  5. 9週目1園に応募し、面接を受ける
  6. 12週目内定。今の園には年度末での退職を相談
図2 相談から次の職場が決まるまでの流れ(モデルケース)

02相談しようと思ったきっかけ

要点:きっかけは、日曜の夜に涙が止まらなくなったことでした。「辞めたい」と口にしたら負けだと思っていたまゆさんが、誰かに話そうと決めたのは、体より先に気持ちが限界に近づいていると気づいたからです。

まゆさんが保育士になったのは、短大を出てすぐのことです。子どもが好きで、実習先の園の空気にあこがれて選んだ仕事でした。最初の3年は「覚えることが多いのは当たり前」と思えていた、と振り返ります。

変わったのは5年目、1歳児クラスの担任になってからです。担任は3人。ただ、ひとりが産休に入り、補充はパートの先生が週3日。残りの2日は、まゆさんともう1人で12人を見る日が続きました。

編集部「相談しよう」と思った瞬間を覚えていますか。

まゆさん

覚えています。日曜日の夜、洗濯物をたたんでいたら、急に涙が出てきて止まらなくなったんです。明日のことを考えただけで。それが3週続いて、さすがにおかしいなって。でも、「辞めたい」って言ったら、子どもにも保護者にも、一緒に働いている先生にも申し訳ない気がして、夫にもちゃんと言えていませんでした。

編集部なぜ、家族や同僚ではなく、外の相談先を考えたのでしょう。

まゆさん

同僚に言うと園の中で話が回るのが怖かったし、夫は「そんなにつらいなら辞めれば」と言うだけで。それはそれでありがたいんですけど、私が欲しかったのは「辞めろ」でも「頑張れ」でもなくて、整理する時間だったんだと思います。

03相談前に抱えていた4つの悩み

要点:まゆさんの悩みは、持ち帰り仕事、主任に質問しづらい人間関係、手取りと処遇改善の手当の分かりにくさ、そして「辞めたら子どもに申し訳ない」という罪悪感の4つでした。最初の相談では、この4つを「今の園で変えられるか」で仕分けました。

図3

仕事量

連絡帳・おたより・壁面の製作を家で。週4〜5日、1日2時間ほど。

園の仕組み次第で変わる

人間関係

主任に質問すると、ため息をつかれる。確認が遅れてミスが増える悪循環。

相手は変えにくい

待遇

手取りが思ったより少ない。給与明細のどれが処遇改善の手当なのか分からない。

確認すれば分かる

気持ち

辞めたら子どもに申し訳ない。7年もやって辞めるのは甘えでは、と自分を責める。

整理すると軽くなる

図3 悩みを4つに分けて「変えられるか」で仕分けた図(初回相談のメモをもとに作成)

悩み1:持ち帰り仕事が「当たり前」になっていた

前の園では、連絡帳は手書き、おたよりは月1回、壁面の製作は季節ごとに担任が用意するのが決まりでした。勤務時間内に書類の時間はなく、子どもの午睡中は寝かしつけと記録で終わります。結果として、家に持ち帰る以外に方法がありませんでした。

編集部持ち帰りは、どれくらいの時間でしたか。

まゆさん

平日は週4〜5日、1日2時間くらいです。行事の前は土曜日も半日。折り紙や画用紙は百円ショップで自分で買っていました。月に千円とか二千円なんですけど、レシートを出す雰囲気じゃなくて。

悩み2:主任に質問するたびに身構えていた

まゆさんがいちばん消耗していたのは、仕事の量そのものより、確認したいことを確認できない状況でした。質問をすると、ため息まじりに「前も言ったよね」と返される。だから聞かずに進めて、あとで指摘される。その繰り返しで、ミスをする自分が嫌になっていきました。

悩み3:手取りの内訳が分からなかった

給料が安い、という感覚はありました。ただ、何と比べて安いのかは分かっていませんでした。給与明細には手当が3つ並んでいて、どれが処遇改善の手当なのか、毎月同じなのかも説明を受けたことがありませんでした。

悩み4:「辞めたい」と思う自分を責めていた

編集部辞めることに、どんな気持ちがありましたか。

まゆさん

子どもたちの顔が浮かぶんです。1歳の子って、担任が変わると最初の数日は泣くじゃないですか。それを分かっていて辞めるのか、って。あと、夜中にスマホで「保育士 辞めたい 甘え」って検索していました。甘えじゃないって書いてある記事を探して、安心したかったんだと思います。

図4

保育士を辞めた理由(過去に保育士として働いた人/複数回答・上位4項目)

職場の人間関係31.5%
仕事量が多い23.1%
給料が安い22.1%
健康上の理由20.6%

いまの職場に望む改善(現在保育士として働いている人/上位3項目)

給与・賞与等の改善62.7%
職員数の増員48.6%
事務・雑務の軽減40.1%

図4 出典:東京都福祉局「東京都保育士実態調査」結果の概要(退職理由 n=2,241、改善希望 n=11,277)。グラフは同資料の数値をもとに作成

まゆさんの4つの悩みは、特別なものではありません。東京都の調査では、過去に保育士として働いた人が辞めた理由の上位に「職場の人間関係」「仕事量が多い」「給料が安い」が並びます。いま働いている人が職場に望む改善でも、「事務・雑務の軽減」は4割を超えています。「辞めたい」と感じること自体は、甘えではなく、多くの保育士が通る反応だと考えてよさそうです。

04相談先をどう選んだか、何が決め手だったか

要点:まゆさんが外せなかった条件は「転職が前提ではないこと」「保育の現場を知っていること」「連絡の方法を自分で選べること」の3つでした。最後まで迷ったのは「相談したら転職を勧められるのでは」という点で、それが解けたのは、初回の相談で最初に言われたひと言でした。

最初に試したのは、転職サイトへの登録だった

編集部最初はどこで情報を集めましたか。

まゆさん

検索して出てきた保育士向けの転職サイトに、勢いで登録しました。そうしたら、その日のうちに知らない番号から電話が3回あって。仕事中で出られなかったんですけど、留守電を聞いて怖くなっちゃって。まだ辞めるかも決めていないのに、話が先に進んでいく感じがしたんです。それで一度、全部止めました。

編集部そのあと、印象に残った情報はありましたか。

まゆさん

「転職するかは、まだ決めなくていい」っていう言葉です。相談窓口の説明に書いてあって、そこで手が止まりました。いちばん参考になったのは、相談の流れが最初から最後まで書いてあったこと。何をされるか分からないのが一番怖かったので。

比べた相談先と、判断の軸

まゆさんは、思いつく相談先を一度すべて並べてみたそうです。それぞれに良さがあり、向き不向きがあります。下の表は、そのとき本人が考えたことを整理し、一般的な特徴を加えたものです。

図5

相談先 保育の事情 転職が前提か 気軽さ 向いている悩み
園の先輩・上司 よく知っている 前提ではない 人による 園の中で解決できる仕事量の相談
家族・友人 知らないことが多い 前提ではない 高い 気持ちを受け止めてほしいとき
公的な窓口(ハローワーク、保育士・保育所支援センター、総合労働相談コーナー) 窓口による 前提ではない 予約や来所が必要な場合も 求人探し、復職、労働条件のトラブル
転職エージェント 保育専門なら詳しい 転職を前提に進むことが多い 登録後の連絡が多いことも 転職を決めていて、求人を比べたいとき
保育士の悩み相談窓口 詳しい 前提ではない LINEなどで始められる 辞めるか迷っている段階の整理
図5 相談先の比較(一般的な傾向。窓口やサービスによって異なります)

図6

  • 1

    転職が前提ではない

    続ける選択肢も一緒に考えてくれるか。

  • 2

    保育の現場を知っている

    連絡帳や行事の話を、説明なしで分かってもらえるか。

  • 3

    連絡方法を選べる

    電話が苦手なら、LINEだけで進められるか。

  • 4

    断れる

    紹介を受けても、登録しない選択ができるか。

図6 まゆさんが相談先を選ぶときに使った判断の軸

最後まで迷ったこと、決め手になったこと

編集部相談を申し込む前に、迷ったことはありましたか。

まゆさん

ありました。無料って書いてあると、逆に「結局は転職させられるんでしょ」って思うじゃないですか。だから最初の相談で、先に聞いたんです。「私、まだ辞めるか決めてないんですけど、いいんですか」って。

編集部何と言われましたか。

まゆさん

「辞めるかどうかは、まゆさんが決めていいことです。今日はまず、何がしんどいのかを一緒に分けてみませんか」って。それで肩の力が抜けました。あと、正直だなと思ったのが、私が「今の園って本当は残業どれくらいなんですかね」と聞いたときに、「それはこちらでは断定できません。見学のときに、こう聞いてみてください」って、質問の仕方を教えてくれたことです。分からないことを分からないと言ってくれる人の話は、信じられるんですよね。

編集部相談を続けようと思えた理由は何でしたか。

まゆさん

保育の話が通じたことです。「指導案」「午睡チェック」「壁面」って言っただけで、ああ、ってうなずいてもらえる。私は自分の悩みを小さいことだと思っていたんですけど、小さいまま、ちゃんと扱ってくれた感じがしました。それと、運営している人たちが「働き方を自分で選べる人を増やしたい」と話していて。押しつけじゃなく、選ぶのを支えるという考え方に、素直にいいなと思いました。

05それでも最後に伝えたい、2つのこと

要点:うまくいった話のあとで、まゆさんがどうしても伝えたいと言ったことが2つあります。「勢いで辞めないこと」と「辞めたあとも、戻りたくなる日は来ること」です。

1. 勢いで辞めないでほしい

まゆさんは、相談する前に一度、退職届を書きかけたことがあるそうです。主任に強く言われた日の夜でした。

まゆさん

あのとき出していたら、次の園を選ぶ余裕はなかったと思います。お金のことも、時期のことも、何も考えていなかったので。辞めること自体はいいんです。でも、つらさから逃げるためだけに辞めると、次の職場でも同じことで悩みやすい。私の場合は、何が嫌だったのかを分けてから動けたのが大きかったです。

2. 辞めたあとも「戻りたい」と思う日は来る

まゆさん

前の園の子たちの進級の時期に、写真を見て泣きました。今の園のほうが働きやすいのに、です。自分で決めたことでも、迷いは何度も戻ってくる。それを知っていたら、もう少し自分を責めずに済んだかな、と思います。だから、そういう日が来ても、決めたことが間違いだったわけじゃない、と伝えたいです。

図7

「辞める」か「続ける」か

  1. 今の園で相談する担当、勤務時間、クラスの配置を変えられないか聞いてみる
  2. いったん休む有給休暇や休職制度で、体と気持ちを立て直す
  3. 保育園を変える園の規模、園種、通勤時間を変えて、同じ仕事を続ける
  4. 資格を活かして場所を変える児童発達支援、学童保育、企業内保育など
  5. 異業種に挑戦する事務、営業、子ども向けサービスなど、保育で培った力を活かす
図7 「辞める・続ける」の二択から、5つの選択肢へ

06辞めたい理由別:最初の一手

要点:辞めたい理由によって、最初にやることは変わります。人間関係なら記録と相談相手の確保、仕事量なら業務の見える化、給料なら明細の内訳確認、保護者対応なら一人で抱えない仕組みづくり、心身の不調なら休むことが先です。

図8

辞めたい理由 最初の一手 職場を変えるサイン
人間関係 言われたことと日時をメモし、園長や別の先輩など相談できる人を1人決める 相談しても改善せず、体調に出ている
残業・持ち帰り 1週間、家でやった作業と時間を書き出し、具体的な数字で相談する 書類の時間を作る仕組みがなく、変える予定もない
給料・待遇 給与明細の手当の内訳と、昇給・賞与の決まりを確認する 説明を求めても内訳が分からないまま
保護者対応 やり取りを記録し、担任だけで返事をせず主任や園長に共有する 園として対応せず、担任に任されたまま
子育てとの両立 時短勤務やシフトの希望を、具体的な時間帯で伝える 制度はあっても使える雰囲気がない
心身の不調 仕事より先に休む。医療機関や相談窓口につながる 休んでも出勤を考えると症状が戻る
図8 辞めたい理由別の最初の一手と、職場を変えることを考えるサイン

人間関係がつらいとき

人間関係の悩みは、相手を変えようとするほど消耗します。まずは、いつ、誰に、何を言われたかを短くメモしておきましょう。記録があると、園長や別の先輩に相談するときに感情ではなく事実で話せます。それでも変わらない場合、職場を変えることは逃げではなく、自分を守るための判断です。

残業や持ち帰り仕事が多いとき

「多い」という言葉だけでは、相手に重さが伝わりません。1週間だけ、家でやった作業と時間を書き出してみてください。「連絡帳に毎日40分、おたよりに月3時間」と数字にすると、園に相談するときも、次の職場を探すときも、比べる物差しになります。

給料に不満があるとき

給与明細の基本給と手当を分けて見てみましょう。処遇改善の手当は園によって配分の仕方が異なり、明細での名前もさまざまです。分からなければ、事務担当や園長に内訳を聞いてかまいません。比べるときは、月給だけでなく賞与と手当を含めた年収で見るのがおすすめです。

保護者対応がこわいとき

保護者からの強い言葉は、一人で受け止めるとあとまで残ります。返事をその場で決めず、「確認してお返事します」と預かり、主任や園長と共有するのが基本です。園として対応する仕組みがあるかどうかは、次の職場を選ぶときの大事な確認ポイントにもなります。

07辞めると決めたら:伝え方とスケジュール

要点:正社員など期間の定めのない雇用では、民法上、退職の申し入れから2週間で雇用は終わります。ただし保育園は年度単位で動くため、就業規則を確認したうえで1〜3か月前に、まず直属の上司か園長に口頭で相談するのが円満に進めるコツです。

図9

  1. 3か月前就業規則で退職の申し出時期を確認。次の職場の目星をつける
  2. 2か月前園長か直属の上司に、口頭で退職の意思を相談する
  3. 1か月半前退職日を決め、園の書式に沿って退職届を出す
  4. 1か月前引き継ぎ資料を作る。有給休暇の使い方を相談する
  5. 最終日貸与物を返却し、離職票や源泉徴収票の受け取り方法を確認する
図9 退職までのスケジュールの目安(年度末退職の場合の一例)

退職理由は、どう伝えればいい?

退職理由は、本音をすべて話す必要はありません。「別の環境で保育を続けたい」「家庭との両立を考えて働き方を変えたい」など、前向きで事実に沿った理由を短く伝えれば十分です。不満を並べると引き止めの材料になりやすく、話が長引く原因にもなります。

年度途中で辞めてもいい?

年度途中の退職も、法律上は可能です。ただ、子どもや保護者、同僚への影響を考えると、可能なら年度末を目安に計画すると話がまとまりやすくなります。体調を崩している場合は話が別です。時期より体を優先してください。

引き止められたら?

引き止めは、園にとって人手が必要だというサインであって、あなたの判断が間違っている証拠ではありません。条件の改善を提案された場合は、その場で答えず持ち帰りましょう。退職の意思が変わらないなら、退職日と「気持ちは変わらない」ことを、落ち着いて繰り返し伝えます。

※有期雇用(契約期間の定めがある働き方)の場合は、扱いが異なります。不安があるときは、各都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)に相談できます。

08転職サービスの連絡がしつこくて不安なとき

要点:転職サービスからの連絡が負担なら、連絡の方法と時間帯を最初に伝え、それでも合わなければ利用をやめてかまいません。登録するのは、運営会社と連絡方法を確認して納得した1〜2社までにすると、比べやすく負担も少なくなります。

図10

  1. 登録前運営会社名、連絡の方法(電話・メール・LINE)、対応エリアを確認する
  2. 登録時「連絡はLINEのみ」「平日19時以降」など、希望を最初に伝える
  3. 利用中急かされたら「今は情報収集の段階です」とはっきり伝える
  4. やめるとき担当者に連絡停止を伝え、必要なら退会手続きをする
図10 転職サービスと上手に付き合うための4つの場面

まゆさんが最初に驚いたのは、登録した直後の電話の多さでした。転職サービスの多くは、早く求人を紹介するために電話を使います。悪いことではありませんが、迷っている段階の人には負担になりやすいのも事実です。だからこそ、登録の前に「どんな連絡が来るのか」を知っておくことが、自分のペースを守るいちばんの方法です。

09まず休んだほうがいいサイン

要点:次のような状態が2週間以上続いているなら、転職を考えるより先に休むことと、医療機関や専門の相談窓口につながることを優先してください。

図11

  • 朝、起き上がれない日が続いている
  • 出勤前や仕事中に、理由なく涙が出る
  • 眠れない、または寝ても疲れが取れない
  • 食欲がない、味がしない
  • 休みの日も、仕事のことが頭から離れない
  • 好きだったことを楽しめなくなった
図11 休むことを優先したいサイン

働く人の心の不調については、厚生労働省の「こころの耳」で、電話やSNSの相談窓口を探せます。体のつらさが強いときは、内科や心療内科を受診してください。すぐに危険を感じるときは、ためらわずに119番に連絡してください。

相談の流れ

相談はどう進んだか(7つのステップ)

要点:相談は「申し込む → 話す → 整理する → 必要な人だけ選択肢を知る → 自分で選ぶ → 動く → 迷ったらまた相談する」の7段階で進みます。転職サービスの案内は、本人が求人も見てみたいと言った場合だけで、登録するかどうかはサービスごとに本人が決めます。

費用はかかりません


  1. LINEかフォームで申し込む

    名前と連絡先、話したいことをひと言だけ送ります。悩みがまとまっていなくても大丈夫です。


  2. 今のお仕事について話す

    30〜45分ほど、いちばん負担に感じていることを聞いてもらいます。転職するかどうかは、この時点で決めなくてかまいません。


  3. 悩みと希望を整理する

    悩みを仕事量・人間関係・待遇・気持ちに分け、次の職場で譲れない条件を3つまでに絞ります。


  4. 求人も見たい人だけ、選択肢を知る

    希望する場合だけ、保育士向けの転職支援サービスの特徴や運営会社、連絡方法の違いを説明してもらいます。


  5. 登録するかを自分で選ぶ

    サービスごとに登録するかを決めます。1つだけでも、今回は登録しないという選択でもかまいません。


  6. 見学・応募・退職の相談へ進む

    見学で聞くことのリストを作り、決まったら今の園に伝える時期を逆算します。迷ったら途中でまた相談できます。


  7. 迷ったら、またLINEで話す

    決めたあとも、迷いは何度も戻ってきます。そのときは、またひと言送ってください。続けると決めた人の相談も、同じように受けています。

初回の相談で、
いっしょに作るもの例


  • 悩みの
    4分類メモ


  • 譲れない
    条件3つ


  • 5つの
    選択肢リスト


  • 見学の
    質問リスト


  • 退職までの
    スケジュール

つまずいたのは「求人票の読み方」だった

編集部進めるなかで、苦労したことはありましたか。

まゆさん

求人票が全部よく見えちゃうんです。「残業ほぼなし」「アットホーム」って書いてあると、前の園もそうだったよな、と思いながら。そこで教えてもらったのが、残業の時間に持ち帰りが含まれているかを見学で聞くこと、書類をやる時間がシフトにあるかを聞くこと、それから担任の人数と、休んだ先生の補充の仕方を聞くこと。この3つを紙に書いて、2つの園の見学に持っていきました。

編集部転職サービスの紹介は、どんな形でしたか。

まゆさん

私が「求人も見てみたい」と言ってから、2つのサービスを説明してもらいました。どの会社が運営しているか、電話がかかってくるのか、LINEで済むのか、どの地域に強いのか。最初の登録で電話に驚いた話をしていたので、LINEでやり取りできる方だけに登録しました。もう1つは「今回はやめておきます」で終わり。それで何か言われることもなかったです。

編集部サポートについて、率直にどう感じましたか。

まゆさん

急かされなかったのがよかったです。見学のあと、どっちの園にするか2週間くらい迷ったんですけど、その間に連絡が来たのは1回だけ。「迷っていて大丈夫です、決めたら教えてください」って。物足りないと思う人もいるかもしれないけど、私にはちょうどよかったです。

図12

  • 残業時間に、持ち帰り仕事は含まれていますか?「残業月10時間」でも、持ち帰りが別なら実際の負担は見えません。
  • 書類や製作をする時間は、シフトにありますか?子どもから離れて作業する時間があるかで、家に持ち帰る量が変わります。
  • 担任は何人で、休んだ人の補充はどうしていますか?人が欠けたときの回し方に、その園の余裕が表れます。
図12 見学で聞いた3つの質問


よくある質問

要点:保育士を辞めたい、転職に迷っている方から特によく聞かれる質問に答えます。質問をタップすると答えが開きます。

保育士を辞めたいと思うのは甘えですか?

甘えではありません。東京都の調査でも、保育士を辞めた理由の上位は人間関係、仕事量、給料です。多くの人が同じ理由で悩んでいます。大切なのは、辞めたい気持ちを否定することではなく、何がつらいのかを分けて考えることです。

転職するか決めていなくても、相談できますか?

できます。むしろ、決める前の段階こそ相談してほしいと考えています。相談したからといって転職する必要はなく、今の園で続ける方法を一緒に考えることもあります。

相談すると、転職サービスへの登録を勧められますか?

こちらから登録を前提に話を進めることはありません。求人も見てみたいと希望された場合にだけ、保育士向けの転職支援サービスの特徴や運営会社、連絡方法を説明します。登録するかどうかはサービスごとにご本人が決め、登録しない選択ももちろんできます。

相談は無料ですか?

はい、相談は無料です。LINEかこのページのフォームからお申し込みください。

保育士は何年目で辞める人が多いですか?

何年目が正解ということはありません。1年目は仕事を覚える負担、3〜5年目は担任やリーダーを任される負担、10年目前後は主任や家庭との両立など、年数によって悩みの中身が変わります。年数より、今の悩みが園の中で変えられるかどうかで考えるのがおすすめです。

退職は何か月前に伝えればいいですか?

正社員など期間の定めのない雇用では、民法上は申し入れから2週間で退職できます。実際には、就業規則で申し出の時期が決められていることが多いため、まず就業規則を確認し、年度の区切りも考えて1〜3か月前に園長か直属の上司へ口頭で相談すると円満に進めやすくなります。

年度途中で辞めると迷惑ですか?

年度途中の退職は法律上可能で、珍しいことでもありません。引き継ぎの時間を確保し、伝える時期に配慮すれば、影響を小さくできます。体調を崩している場合は、時期より体を優先してください。

転職エージェントの電話がしつこいときは、どうすればいいですか?

担当者に、連絡はメールやLINEだけにしてほしいこと、連絡してよい時間帯を伝えましょう。それでも合わない場合は、連絡の停止や退会を申し出てかまいません。登録前に連絡方法を確認しておくと、こうした負担を避けやすくなります。

働きやすい保育園は、どう見分ければいいですか?

求人票だけで判断せず、見学で具体的に聞くのがいちばん確実です。残業時間に持ち帰り仕事が含まれるか、書類をする時間がシフトにあるか、担任の人数と休んだ人の補充の仕方の3つを聞くと、その園の余裕が見えてきます。

保育士資格を活かせる、保育園以外の仕事はありますか?

あります。児童発達支援や放課後等デイサービス、学童保育、企業内保育、病児保育、ベビーシッターなど、子どもに関わる仕事で資格や経験を活かせます。保育で身につけた観察力や段取りの力は、事務や接客など異業種でも評価されることがあります。

ブランクがあっても、保育士に復職できますか?

できます。各都道府県の保育士・保育所支援センターでは、復職を考える保育士向けに求人の紹介や研修の案内を行っています。最初はパートや短時間勤務から始めて、少しずつ勤務を増やす方法もあります。

子育てと両立しやすい働き方はありますか?

時短勤務、早番・遅番の少ないシフト、パートや派遣など、選べる働き方はいくつかあります。制度があるかだけでなく、実際に使っている人がいるかを見学や面接で確認すると、入職後のギャップを減らせます。

住んでいる地域が遠くても相談できますか?

LINEやオンラインで相談を受けているため、お住まいの都道府県を問わずご相談いただけます。地域の求人事情を知りたい場合も、まずは今の状況からお聞かせください。

相談した内容や個人情報は、勝手に共有されませんか?

ご本人の同意なく、相談内容や連絡先を第三者に提供することはありません。転職支援サービスへの登録を希望される場合も、提供先と提供する情報を説明し、同意をいただいてから進めます。





転職するかは、まだ決めなくていい。
あなたのペースで、いっしょに。

ほいくの相談室は、保育士の「辞めたい」「転職するか迷う」という悩みを、転職を前提にせずに整理する相談窓口です。
LINEとオンラインで、全国47都道府県どこからでも相談できます。
辞める・続ける・休む。どの選択も、あなたが自分で決めたなら、その判断を支えます。

運営者情報

運営
ほいくの相談室(保育士の悩み相談窓口)
相談方法
LINE / オンライン(フォームから申し込み)。電話が苦手な方は、LINEのメッセージだけで相談できます。
対応地域
全国47都道府県(オンライン対応)
相談料
0円。転職するかを決めていなくても相談できます。
受付
LINE・フォームは24時間送信できます。返信は順番にお返しします。

相談できる地域

要点:LINE・オンラインでの相談のため、全国47都道府県どこからでもご相談いただけます。

図13

北海道・東北
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
関東
茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
中部
新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県
近畿
三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
中国・四国
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州・沖縄
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
図13 相談できる地域(オンライン対応)

この記事について

取材・執筆
ほいくの相談室 編集部
最終更新
2026年10月
編集方針
相談の現場で多く聞かれる悩みをもとに、公的機関の資料と法令で確認できる内容を記載しています。特定の園や転職サービスをランキング形式で評価することはしていません。
運営の考え方
保育の仕事を選んだ人が、自分の働き方を自分で選べるように。辞める・続けるのどちらを選んでも、その判断を支えることを大切にしています。

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